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院内暴力への対応

17.02.20

 先日、歯科クリニックで、院長が患者に刺されて死亡するという事件がありました。医療機関には実に様々な患者が来院し、診療の内容や結果を巡ってトラブルも起こりやすく、トラブルやクレームが深刻な院内暴力事件に発展する可能性が常にあります。また患者の中には、疾病による見当識障害やせん妄症状等によって、無意識の暴力的行為に至ってしまう方もいます。医療機関としても、医療の現場が、このような患者暴力に曝される危険性がある場所であることを自覚した上、スタッフの安全を守るため、対策を講じる必要があります。
 まず、院内で院内暴力が発生した場合の対応マニュアルを整備し、スタッフに周知しておく必要があります。マニュアルはできるだけシンプルでわかりやすく、実践しやすいものにしなければなりません。既に院内暴力対応マニュアルを作っておられる医療機関においても、その内容に問題がある場合もあります。特に、患者が現に暴力を振っている緊急時に、避難することや警察への110番通報が記載されていない等の問題があるものが見られます。患者のための医療ですから、警察への通報が躊躇われることは理解できますが、緊急時には、まずはスタッフや他の患者の安全を確保することが最優先です。暴力からの避難や警察への110番通報を躊躇することがあってはなりません。
万が一、医療機関のスタッフが、患者による院内暴力に遭った場合には、当該スタッフの心身のケアが必要となることはもちろんですが、当該患者に対しては毅然とした対応をすべき場合もあります。悪質な暴力被害に遭った場合には、警察への被害届や刑事告訴、民事上の損害賠償請求を行うことも検討すべきです。
当事務所では、院内暴力対応マニュアルの作成や、実際に暴力が起きた時の対応等についての助言や指導をさせていただいておりますので、お気軽にご相談下さい。
弁護士  渡邊健司

医療事故ニュースの重要性

17.01.17

 昨年(平成28年)9月に、病院で未使用の点滴に消毒液と思われる液体が混入されていた事件の報道は記憶に新しいと思います。この事件は、ニュース・新聞等の各マスコミによって大々的に報道されました。
 ニュース報道のメリットは、事件情報を社会全体で共有することで、事件の再発防止を呼び掛けることが可能となります。他方で、デメリットもあります。それは、模倣犯(他人が起こした犯罪の手口をまねた犯罪)や愉快犯(世間を騒がせて快感を得ることを目的とする犯罪)を招くリスクがあることです。事実の真相は分かりませんが、実際に、その後、全国各地の病院で類似の事件が複数発生しています。
 患者の安全を第一に考えなければならない医療機関としては、このような医療事故ニュースに敏感でなければなりません。防止策といっても、抜本的な対策はなかなか見つかりませんが、医療機関としては、何らかの対策を講じる必要があります。
 もちろん、こうした対策には費用の問題、人員の問題などがあるため、何でもできるわけではありません。ただ、そのような中でも、まず簡単にできることとして、例えば、不審者に対する声掛けを積極的に行うよう周知・徹底する、患者及び職員のあいさつなどの声掛けをきちんと行うよう指導する、院内の整理整頓を徹底するなどして、事故が起きにくい環境・雰囲気を整えることも重要です。
 当事務所では、名古屋・東海3県を中心とした顧問先の医療機関様向けに、弁護士の視点から見た事故防止対策、事故対応対策、患者クレーム対策などの職員向け講演も承っております。職員教育目的での顧問弁護士活用も、ご検討いただき、お気軽にご相談いただければと思います。
2017/01/11 弁護士 木村環樹

任意の届出制度について

16.12.09

 数年前から飲酒運転をはじめとする悪質な交通事故に対する社会的批判が高まり、法律面では刑法上の自動車運転過失致死傷罪、危険運転致死傷罪の創設、自動車運転死傷行為処罰法の制定等の対策が行われています。もっとも、重大な交通事故を完全に防止することは難しく、近時は高齢者の認知能力の低下に起因すると思われる事故が頻発しています。 この点、道路交通法101条の6は医師による任意の届出制度を定めており、この制度を利用した場合、公安委員会が免許取消しあるいは免許停止の処置をとるため、「何とか運転をやめさせたい」という認知症患者のご家族からのご相談に対するひとつの答えなのかもしれません。
 もっとも、医療情報はプライバシー性の高い情報であり、届出を行う際の手続に違反があれば守秘義務違反等の問題が生じえます。また、事実上無断で届出をすれば患者の反発を招くのは確実であり、事前に十分な説明を行うことが期待されます。具体的な対応については、日本認知学会が定めるガイドライン及びQ and A(http://dementia.umin.jp/link2.html)が参考となりますが、個別具体的な事案の解決のためには総合的な考慮が必要となります。 弁護士は法の専門家として、紛争の解決だけでなく、紛争予防のためのご相談もお受けしております。名古屋を中心とした愛知・岐阜・三重にてお困りの際は、お気軽にご相談いただき、医師、患者、ご家族のそれぞれの立場に配慮した解決の一助となれば幸いです。
丸の内本部事務所 弁護士 米 山 健 太

医療機関の労務管理

16.11.16

 最近、過労死の問題がマスコミ等で大きくクローズアップされ、企業における労務管理体制が厳しく問われるようになりました。医療機関においても、医師、看護師、医療事務職等、多くのスタッフを抱える中で、労務管理は無視できない経営課題となってきています。
これまで、医療の現場において、個々のスタッフが、労働者としての権利行使を行なうことは必ずしも多くはなかったように思われます。医療は、患者のための、公益性の高い事業であることや、医療機関のスタッフは医師をはじめ皆専門家であり、職人的気質が残っていることなどが背景にあるのかもしれません。
しかし、今後、医療の現場においても、労働紛争が増加してくることは明らかです。スタッフが過労死することは、当然あってはならないことですが、過労死に至らなくとも、残業代や、解雇、業務命令等について労働紛争が発生すれば、対応に大きな負担を伴いますし、他の従業員全体にも影響を及ぼすことがあります。
医療機関の経営者としては、適法かつ適正な労務管理体制の構築を重要な経営課題と捉える必要があります。
 当事務所では、医療機関を含む企業の労務管理、個別的労働紛争の対応について多くの経験を有する弁護士が所属しておりますので、是非一度ご相談下さい。

                                            名古屋丸の内本部事務所 弁護士 渡邊健司

患者の診療情報の保護

16.10.14

平成27年に個人情報保護法が改正されました。これに伴い個人情報保護委員会が発足しました。この個人情報保護委員会のHP( http://www.ppc.go.jp/)の中で、各省庁が作成した個人情報に関するガイドラインが整理されています。
医療機関で個人情報の取り扱いが問題になる場面としては、患者・患者家族らからの診療情報開示請求、裁判所から文書送付嘱託や調査嘱託があった場合、警察から捜査関係事項照会があった場合など多岐にわたります。このような場合、まずは、厚生労働省が作成した「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」及び「Q&A(事例集)」を参考にします。ガイドラインを見ても判断・対応に困る場合は多々あります。このような場合には、弁護士にご相談ください。
また、最近は、いわゆるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が普及しています。万一、職員が誤ってSNS上に患者診療情報を掲載してしまったりした場合、患者のプライバシーは大きく損なわれ、医療機関に対する信頼も失われてしまいます。そのため、職員に対するSNSの適切な利用を促す規程やガイドラインを自主的に作成している企業や医療機関が増えてきています。
当事務所は、名古屋・東海三県の医療機関の皆様を中心に、医療法務サービスを提供してきました。上記のような相談や、SNS利用に関する規程・ガイドライン作成に関しましても当事務所の弁護士が対応させていただきます。一度、ご相談下さい。

                                             丸の内本部事務所 弁護士 木村 環樹

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